JIA中国建築大賞も4回目を迎え、関係者のたいへんな努力もあって、しだいに意義ある大きな賞へと育ちつつあります。毎年、現地審査で回るのですが、中国地方の広さを実感するとともに、地域によって異なる建築文化が生み出されつつあることを感じます。地域ごとに会員同士が切磋琢磨している成果が現れ始めているのではないでしょうか。地域主権が叫ばれるこの国のこれからの文化を考える上で、これはとても大きなことです。JIA中国建築大賞は、この流れを進め励ますものでありたいと思っています。
今年、幾つも作品を見るうちに、建築家の能力を引き出し、存分に仕事をさせる施主の理解が、作品にとって大きな役割を果たしていることに気付きました。近年の作品で優れたものは、例外なく作品の裏に施主の温かな眼差しがあることを感じました。この賞に於いては、特にこの傾向が他地域より強いと思います。これも大きな地域特性です。そこで、審査委員と事務局で話し合った結果、今年から建築家と共に建築主にも記念品を贈ることにしました。この賞におおきな特徴が加わることになります。